今回の震災に投入された統合任務部隊が5月9日をもって解散しました。最大で約2万6千人だった勢力が約1万3千人となり、支援そのものは継続しますが 陸・海・空の「統合チーム」による活動は一応終了したことになります。10日付の読売新聞にこの統合任務部隊の成果についてシンプルにまとめて掲載されていたのはさすがだと思いました。

実はこの統合編成による仕組みは歴史が浅く、まだ10年しか経っていません。災害派遣としては東日本大震災に続き2回目です。私見ですが今回の統合運用最大の評価は「規模と速度、そして日米調整」にあったのではないでしょうか。1回目の揺れが4月14日21:26、2回目が 同16日01:25。統合任務部隊による派遣命令が出たのが同日04:55。実に3時間半後です。最も遠い北海道の部隊でも翌17日には現地を出発しています。

ここまで進化を遂げた統合運用の実態をどのメディアも取り上げていなかったことを不思議に思っています。(私自身が未確認なのかも知れませんが・・)例えば統合任務部隊指揮官となった西部方面総監へのインタビュー、あるいは海、空部隊への取材など。

オスプレイの使用が「政治的」だと騒ぐ前に、 「洋上補給を含めよくこれだけの調整が短時間でできたこと」を報道して欲しかったです。2万人を超える組織がまるで「ひとつの生き物」のように動くことが自衛隊のような組織の真髄です。その凄さを国民に分かりやすく紹介することもまたマスコミの使命ではないでしょうか?