阿蘇くまもと空港のすぐ横に陸上自衛隊高遊原分屯地があります。その名のとおり普通の駐屯地に比べると敷地は小ぶりですが、ここが西部方面総監部を強力にバックアップする陸上航空部隊の一大拠点です。さる4月10日に方面航空隊55周年の記念行事が行われました。グランドではなく格納庫前に隊員たちが整列 し、そのすぐ後ろを離陸前の民間航空機が通過します。展示飛行では、空港の滑走路を横切って真正面の彼方からヘリの大編隊が押し寄せ、頭上をかすめて飛ん でいきます。まさに管制塔と分刻みの調整です。圧巻は締めくくりに行われた訓練展示。相浦駐屯地に所在する水陸機動団の隊員とともに各種ヘリを駆使して、人員車両の機動訓練を披露してくれました。かつては、単に空の輸送手段でしかなかった航空部隊が、対戦車ヘリの出現によって火力戦闘部隊に名を連ね、今や 島嶼(とうしょ)防衛の基幹部隊として揺るぎなき存在感を示しています。例年にも増して、そんな「凄み」を感じさせる記念行事でした。
