IMG_9773IMG_9774「熊本市動植物園の一角に梅園がある」という妻の情報で一緒に行ってきました。不思議なことに紅梅はすでに見頃を過ぎてましたが白梅はどの木もこれからという感じでした。
その中に鶯宿梅(おうしゅくばい)と呼ばれる花を発見。花全体が手鞠のように丸く花びらが幾重にも重なって見事です。
この梅の面白いエピソードが大鏡の中に紹介されています。
村上天皇の時代(947-956)、清涼殿にあった梅の木が枯れてしまい、天皇が大変嘆かれたため、立派な梅を探し求めて植え替えたところ、梅の木の枝に次の歌を詠んだ文を発見。
「勅なればいともかしこし鶯の宿はと問はばいかが答へむ」
(命令とあればいたしかたないが、この梅を宿としている鶯から「私の宿はどこへ行ったの?」と聞かれたら私はどう答えたらいいのでしょう?)
これを読んだ天皇は大変申し訳なく思い、梅の木を再び家主のもとにお返しになったというお話です。歌の主は紀貫之の娘だったとのこと。
現在のクレーム社会とは一味違う、雅で成熟した時代を感じます。
鶯宿梅の見頃は来週あたり。名前の由来とともに楽しんで下さい。