大西一史市長は5月23日の定例記者会見において市役所業務に「チャットGPT」を導入する旨を発表した。業務効率化や市民サービス向上に活用できるかといった課題を探り、10月以降の本格導入を目指すという。
最先端の未知の分野であるので、こうした新しい試みには私も大いに期待をするところだが、市長が述べた「挨拶文など」という一節に違和感と不安を感じた。
挨拶には紋切り型もあれば、くだけたスタイルもあり、文章もあれば話し言葉もある。
挨拶は、最新の情報に基づきその場の空気をつかんで、人から人へ伝えるものだ。その大切な役割を本当にAIに担当させてよいのだろうか。私は市長を含め職員全員が挨拶文くらいは人間としてしっかり自己修練を積んでほしいと思う。短いメッセージほど時間をかけるべきと述べたのはかのスピーチの名手J.F.ケネディである。全ての挨拶が「AI作」だと言われたら、私は読みたくもなけるば聞きたくもない。
市長は議会答弁には使用しないと述べたが、議員の質問をAIに任せてみてはとどうだろう。その示す未来がどうなるかも検討すべきではあるが。(光)